御朱印とは
まずは、御朱印についての本来の目的から。
御朱印は、かつて寺院を参拝し、写経を納めた証として頂くものでした。しかし、時代の変遷とともに簡略化され、現在多くの人がそうするように、参拝の記録として頂けるものとなりました。したがって、参拝の記録として頂く場合は、お参りを終えた後に御朱印を頂きましょう。
大きなお寺では、先に御朱印をお願いして参拝後に受け取るシステムになっている場合もあるので、臨機応変に。
御朱印のいただき方
まずは御朱印帳を用意
御朱印は、『御朱印帳』という帳面に書いていただくことが一般的です。なので、まずは御朱印帳を購入しましょう。御朱印帳は、お寺で販売しているので、初めて御朱印を頂く場合には参拝したお寺で選ぶとスムーズです。
お寺ごとに色々なデザインの御朱印帳を販売しています。お気に入りの御朱印帳を探して、お寺を参拝する目的にするのも良いかもしれません。
鎌倉|円覚寺
東京|増上寺
奈良|東大寺
尾道|千光寺
鎌倉|長谷寺
日光|輪王寺
最近では、ネットショップでも様々なタイプの御朱印帳が購入できます。じっくり探してみるのも良いですね。
御朱印はどこでもらえるの?
御朱印は、お寺の寺務所や本堂内で頂くことが一般的です。
また、「御朱印受付」の案内板が設置されているお寺が多いので、場所が分からず迷うことはほとんどありません。
御守やおみくじ、お札の販売所で御朱印を書いていただける場所も多いので、まずは売り場へ足を運んでみましょう。
稀にインターホンを押して書いていただくお寺もあります。そんな時は、勇気を出してピンポンを押して御朱印をいただきましょう!
一気にハードルが上がるけど、それもまた思い出になります。
御朱印書のいただき方
御朱印の受付所で、お願いしましょう。
整理番号を書かれたカード等を手渡されることがあります。1枚ずつ手書きで書いてくれるようなお寺は、時間がかかるので少し待ちます。
気を付けたい3つのポイント
・書いてほしいページを開いてお願いする。
・書いている様子をむやみに写真撮影しない。
・帳面を汚したりせず、大事に扱うこと。
あとは、御朱印料を払えばOK!
ほんの1~2年前(令和5年現在)までは300円が一般的でしたが、今は500円が主流となっているようです。
お寺の御朱印と神社の御朱印って分ける?
頂く御朱印が増えてくると、お寺と神社の御朱印が同じ御朱印帳に混在するが気になるシーンも出てくるのではないでしょうか。
これは、特にルールはないので、気にしなくでも大丈夫◎
今でこそ「お寺」と「神社」は明確に分かれていますが、明治時代まではお寺と神社は一緒に祀られていました。いわゆる「神仏習合」と言われています。
今も、神社と仏教が一緒にお祀りされた神社もあります。
ということで、個人的に分けたければ2冊持つ、一緒でOKと思えば1冊で頂けば良いでしょう。
ただ、稀に1冊の御朱印に書き入れることを断られる場合もあります。そのような場合は、無理なお願いは控え、寺社の意向に従いましょう。
なんて書いてある?御朱印の見かた
ここからは、実際に御朱印にはどのようなことが書いてあるか見ていきましょう。
中央に本尊の名前が書かれている場合|例:建長寺(鎌倉)
①[奉拝]
謹んで参拝をすること。
お寺に参拝したことを意味する。
②[大本山]
臨済宗建長寺派の大本山のこと。
[天下禅林]の印
「人材を広く天下に育成する禅寺」の意味。
建長寺を象徴する言葉でもある。
③[建長寺]
「寺号」と言って、お寺の名前のこと。
④[建長]の印
お寺の印鑑。
⑤[南無地蔵尊]
ご本尊「地蔵菩薩」を意味している。
中央に本堂のお堂の名前が書かれている場合|例:寛永寺 根本中堂(上野)
①[奉拝]
謹んで参拝をすること。
お寺に参拝したことを意味する。
②[東叡山]
山号が書かれている。
※元々寛永寺は比叡山を見習って建立されたため西の比叡山に対して東の比叡山という。
③[寛永寺]
「寺号」と言って、お寺の名前のこと。
④[東叡山寛永寺]の印
お寺の印鑑。
⑤[瑠璃殿]
根本中堂のご本尊「薬師瑠璃光如来」が安置されているため、瑠璃殿と呼ぶ。
中央に御本尊の名前が梵字で書かれている場合|例:成田山新勝寺 大塔(成田)
①[奉拝]
謹んで参拝をすること。
お寺に参拝したことを意味する。
②[下総国]
千葉県成田市の旧国名。
③[成田山 大塔]
「寺号」と言って、お寺の名前のこと。
大塔で頂いた御朱印なので、「大塔」の字も書かれている。
④[成田山新勝寺大塔]の印
お寺の印鑑。
⑤[カンマン(梵字)]
ご本尊である「不動明王」の意味。
中央に日蓮宗や法華経のお題目が書かれている場合|例:身延東京別院(小伝馬町)
①奉拝の文字はナシ
②[小伝馬町]
所在地名が書かれている。
③[身延別院]
「寺号」と言って、お寺の名前のこと。
④[身延別院]の印
お寺の印鑑。
⑤[南無妙法蓮華経]
お題目が書かれている。
日蓮宗では、御朱印にお題目を書いていただける。
まとめ
このように一言で御朱印と言っても様々なバリエーションがあります。文字や印の一つ一つに意味があり、それを読み解くことでますますお寺についても理解が深まります。