ご真言とは
- ご真言は、マントラ(サンスクリット語)のことを指し「仏の真実の言葉、秘密の言葉」という意味。
- 教経典に由来し、浄土真宗を除く多くの大乗仏教の宗派で用いられる呪術的な語句。
- 仏の言葉を音写したもので、真言を唱えることで効果を享受することができる。
光明真言とは
- 光明真言は、正しくは「不空大灌頂光真言(ふくうだいかんぢょうこうしんごん)」と言い、密教のご真言である。
- 密教の最高位にいる大日如来の真言であり24の梵字(1つは休止符)からなる。
- その功徳はとても大きく、ご真言をお唱えするだけで様々な罪を除くと言われる、ありがたい最強のご真言なのである。
- 主に真言宗や天台宗で多く用いられる。
光明真言とご真言
光明真言とは
23文字の梵字からなる短いお経のこと。
このお経を唱えたり聞いたりすることで、過去の災いをすべて取り除くことができ、悪行が綺麗さっぱり浄化する。

ご真言/マントラ
おん・あぼきゃ・べいろしゃのう・
まかぼだら・まに・はんどまじんばら・
はらばりたや・うん
役割
過去の災いをすべて取り除き浄化する。生前の悪業による報いで、地獄・餓鬼・修羅に生まれ変わった死者に対し、仏様の光明に包まれ諸々の罪を除き、極楽国土に導いてくれる。先世の悪業の報いにより病人となった者に対し、現世にその応報を招いた善悪の行為と病障を取り除いてくれる。
光明真言の解説
おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら
「おーん」「不空成就如来よ」「毘盧遮那仏(るしゃなぶつ)よ」「偉大なる印を有する御方よ」
まに はんどまじんばら はらばりたや うん
「摩尼蓮華尊よ」 「光明を放ち」「我らを救い導き給え」 「フーン(聖音)」
十三仏とは
十三仏とは故人の魂をあの世でお守りしてくださる仏様のこと。
では、この13の数は何?となるが、人が亡くなると、初七日から三十三回忌までの計13回、追善供養(故人があの世で良い暮らしができるようお祈り)を行います。
この13回の供養ごとに仏様が決められており、十三仏にて故人を守って頂けるのです。
なので、初七日から三十三回忌までの順番は、決められています。
※下記項4「十三仏とご真言」の順番通り
如来と菩薩の違い
仏様には「釈迦如来」「大日如来」などの[如来]と、「観世音菩薩」「勢至菩薩」などの[菩薩]が存在しているが、それぞれどのような違いがあるのだろうか。
如来とは
如来とは「真如[しんにょ](宇宙万有にあまねく存在する実体|永久不変の真理)から来た人」つまり悟りを開いた者のことを指す言葉であり、悟りを開いたお釈迦様(ブッダ)のことを指している。
悟りを開いた者は、悟り(真理)の世界と現実の世界を自由に行き来できるとされ、現世で教えを説いてくれる。
菩薩とは
菩薩とは、悟りを求める者の意味があり、如来になる(悟りを開く)ために修行中のお釈迦様がモデルとなっている。
菩薩像は、髪を結いあげ、宝冠や首飾りで装飾した若々しい姿を表現していることが多い。
十三仏とご真言
一:不動明王[ふどうみょうおう]

不動明王とは
大日如来の化身とも言われ、五大明王の中心となる明王。
お不動さんとして広く親しまれていて、見た目は怖いがとても優しい仏様である。
不動明王の梵字
カーン

ご真言/マントラ
のうまく・さんまんだ・ばざらだん・
せんだ・まかろしゃだ・
そわたや・うんたらた・かんまん
守り本尊
酉年(とり年生まれ)
ご利益
悪魔退散・除災招福・国家安泰
効果・功徳
慈悲の心が非常に強く、魔を払い災厄を砕く力がある。人のこれまでの煩悩を全て打ち砕き、邪心を遠ざける。また、清い心を作ってくれる仏様。
不動明王が祀られているお寺
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二:釈迦如来 [しゃかにょらい]


釈迦如来とは
いわゆる「お釈迦様[おしゃかさま]」のことであり、釈迦とは仏教を開祖した仏陀[ブッダ]を指す。
【ブッダとは】
本名:ゴータマシッダルタ
生誕:紀元前5世紀前後
生涯:80歳
出身:ネパール南部
地位:地方豪族の皇子
釈迦如来の梵字
バク・ハク


ご真言/マントラ
のうまく・さんまんだ・
ぼだなん・ばく
守り本尊
対象外
ご利益
仏智悟入※悟りを開かせる・諸願成就
効果・功徳
人々の魂を成長させるために仏法を説き、正しい方向へと導いてくれる仏様。
釈迦如来が祀られているお寺
三: 文殊菩薩 [もんじゅぼさつ]


文殊菩薩とは
物事の本質を正しく見極める力や、判断力を意味する「智慧」を司る仏様。
右手に剣、左手に巻物を持っているのが特徴。
文殊菩薩の梵字
マン


ご真言/マントラ
おん・あらはしゃ・のう
守り本尊
卯年(うさぎ年生まれ)
ご利益
知恵明瞭・学業成就
効果・功徳
知恵の神様として親しまれており、学業向上や合格祈願で有名。
「三人よれば文殊の知恵」ということわざに出てくる「文殊」とは、文殊菩薩のことである。
文殊菩薩が祀られているお寺
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四:普賢菩薩 [ふげんぼさつ]


普賢菩薩とは
命あるものを救い、賢い智恵を司る仏様。
文殊菩薩とともに行(修行)を司さどっている。全ての面で賢いという意味。
女性も往生できると説いている「法華経」により、極楽往生を願う女性たちからの信仰も篤かった。
普賢菩薩の梵字
アン


ご真言/マントラ
おん・さんまや・さとばん
守り本尊
辰年(たつ年) / 巳年(へび年)生れ
ご利益
無病息災・福徳増益
効果・功徳
女性守護、修行者守護、息災延命、幸福を増やす増益など。
普賢菩薩が祀られているお寺
記事が見つかりませんでした。
五:地蔵菩薩 [じぞうぼさつ]


地蔵菩薩とは
お釈迦様入滅から弥勒菩薩が成仏するまでの間、現世に仏が不在となってしまう間の救世主として、すべての命を救済することを委ねられた仏様。僧侶の姿がモデルとされている。
地蔵菩薩の梵字
カ


ご真言/マントラ
おん・かかか・
びさんまえい・そわか
守り本尊
対象外
ご利益
延命・先祖供養・無病息災・五穀豊穣
効果・功徳
無病息災、五穀豊穣、交通安全、水子祈願、安産、子授け、子供守護、先祖菩提、戦勝祈願など。特に子供を守る仏様とされている。また、武具を身に着けた地蔵菩薩も存在することから、勝軍地蔵[しょうぐんじぞう]と呼ばれており、戦などの勝負にご利益があるとされている。
地蔵菩薩が祀られているお寺
六:弥勒菩薩 [みろくぼさつ]


弥勒菩薩とは
お釈迦様[ブッダ]が入滅してから56億7千万年後、この世界に現れ、人々を救うとされている仏様。お釈迦様が救うことが出来なかった全ての人々を救うとされる期待感が半端ない仏様。
弥勒菩薩の梵字
ユ


ご真言/マントラ
おん・まいたれいや・そわか
守り本尊
対象外
ご利益
衆生救済・極楽往生
効果・功徳
衆生救済=弥勒菩薩によって、釈迦如来によって救えなかったすべての人々を救済するとされている。
弥勒菩薩を信仰することで死後は兜率天(とそつてん)に生まれ変わることができ、苦しい思いをせず人間界に輪廻転生できる。
弥勒菩薩が祀られているお寺
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七:薬師如来 [やくしにょらい]


薬師如来とは
医薬の仏様として信仰を集める。
右手は施無畏印[せむいいん]を結び、左手に薬壺[やっこ]を持っている。
東宝浄瑠璃と言う世界の仏様で、その世界は七色の光に包まれ、穢れのない清らかな場所を指している。
薬師如来の梵字
ベイ・バイ


ご真言/マントラ
おん・ころころ・せんだり・
まとうぎ・そわか
守り本尊
対象外
ご利益
病気治癒(特に目病)、健康長寿、災難除去、安産祈願、現世利益
効果・功徳
薬師如来のご利益は、病気などから衆生(人々)を守り、心身が健康になるよう救うとされている。
このご神徳は、現世で生きている間に受けられる「現世利益」とされ、救いは未来ではなく「今」得られるという点で、他の仏様のご利益と異なっている。
薬師如来が祀られているお寺
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八:観世音菩薩 [かんぜおんぼさつ]


観世音菩薩とは
いわゆる「観音様」のこと。観音菩薩とも言う。
人々が救いを求める声をあげると、苦悩から救済してくれる慈悲深い仏様。
日本や中国では女身とも考えられている。また、観音菩薩は変幻自在で、相手に応じて様々な姿に変化すると言われ、その数33通りと言われている。阿弥陀如来の左の脇侍としても登場する。
観世音菩薩の梵字
サ


ご真言/マントラ
おん・あろりきゃ・そわか
守り本尊
子年(ねずみ年生まれ)
ご利益
諸願成就
効果・功徳
あらゆる災難から逃れ、運気を好転させる。
観世音菩薩が祀られているお寺
九:勢至菩薩 [せいしぼさつ]


勢至菩薩とは
知恵の光で世の中のすべてを照らし、人々の苦難や迷いから救い出してくれる仏様。
阿弥陀如来の右の脇侍として登場する。月の化身ともいわれてる。
勢至菩薩の梵字
サク


ご真言/マントラ
おん・さんざん・ざんさく・そわか
守り本尊
午年(うま年生まれ)
ご利益
智慧明瞭・家内安全・除災招福
効果・功徳
午年生まれの人々を守護する守護本尊であり、午年生まれの開運や厄除け、祈願成就を助けるとされている。また、人としての正しい道を歩むよう智慧を授け、家内安全や開運招福のご利益をもたらす。
勢至菩薩が祀られているお寺
十:阿弥陀如来 [あみだにょらい]


阿弥陀如来とは
無限の命と無限の光明を持つ仏様。限りない命と智慧で人々を救い続ける仏様である。
また極楽浄土の教主でもあり、とっても偉い仏様。
阿弥陀三尊として、中央に阿弥陀如来、左の脇侍として観音菩薩、右の脇侍として勢至菩薩を配している。
阿弥陀如来の梵字
キリーク


ご真言/マントラ
おん・あみりた・ていせい・
から・うん
守り本尊
戌年(いぬ年) / 亥年(いのしし年)生れ
ご利益
極楽往生・現世安穏
効果・功徳
人が亡くなった後、極楽浄土へ連れて行ってくれる仏様。
阿弥陀如来が祀られているお寺
十一:阿閦如来 [あしゅくにょらい]


阿閦如来とは
あしゅくとは「揺るぎないもの」という意味。
何事にも動じない不動、迷いがあればそれに打ち勝つ強い心を授けてくれる仏様。
阿閦如来の梵字
ウン・ウム


ご真言/マントラ
おん・あきしゅびや・うん
守り本尊
対象外
ご利益
病気治癒・無病息災・滅罪
効果・功徳
阿閦の名は「揺るぎないもの」を意味し、その名通り、動じることなく迷いを克服する強い心を授けるとされている。
阿閦如来が祀られているお寺
記事が見つかりませんでした。
十二:大日如来 [だいにちにょらい]


大日如来とは
太陽神に起源をもつ。大日とは「大いなる日輪」という意味。
万物の母であり宇宙の中心である。
すべての命あるものは大日如来から生まれ、すべての仏は大日如来が姿を変えて現れた化身とされる、仏様の根源を意味している。
大日如来の梵字
バン


ご真言/マントラ
おん・あびらうんけん・
ばざら・だどばん
守り本尊
未年(ひつじ年)/申年(さる年)生れ
ご利益
現世安穏、所願成就
効果・功徳
最高神である大日如来によってあらゆる願いを成就させる。
大日如来が祀られているお寺
十三:虚空蔵菩薩 [こくうぞうぼさつ]


虚空蔵菩薩 とは
空蔵とは、無限の智慧と慈悲の心が収まっている蔵という意味。
人々の願いを叶えるため、蔵から取り出して智慧や記憶力・知識を与えてくれるありがたい仏様。
虚空蔵菩薩 の梵字
タラーク


ご真言/マントラ
おん・ばざら・あらたんのう・
おんたらく・そわか
のうぼう・あきゃしゃきゃらばや・
おんありきゃ・まりぼり・そわか
守り本尊
丑年(うし年) / 寅年(とら年)生れ
ご利益
滅罪招福・頭脳明晰・技芸向上・記憶力増進
効果・功徳
虚空蔵とは、無限に広がる宝庫を意味し、宇宙のように広大な蔵から智慧や財宝を無限に引き出し、人々を救済すると考えられている。
虚空蔵菩薩 が祀られているお寺
まとめ
十三仏真言は、私たちの心を浄化し、日々の生活に安心と福徳をもたらすものです。
それぞれの仏様が持つ特徴やご利益、梵字、真言の持つ力を知ることで、仏教の教えがより身近に感じられるでしょう。
日々の祈りや感謝の気持ちと共に、真言を唱えることで新たな気づきや癒しを得られるはずです。
この記事が皆様の仏教への理解を深める一助となれば幸いです。