都会の喧騒を忘れ、古都鎌倉を歩いてみませんか。 今回は北鎌倉駅~鎌倉駅までの道のりでおすすめの寺院や名所を御朱印や写真を交えて発表します。
円覚寺|鎌倉五山第二位・北条時宗公廟所
円覚寺の拝観料|大人500円(高校生以上)、小人200円(小中学生)
拝観時間|[3月~11月]午前8:00~午後4:30、[12月~2月] 午前8:00~午後4:00
円覚寺の見どころが書かれた看板もあるので、何を目指すかここで予め決めておくと良い。
【三門】
この三門は1785年に再建された。「円覚興聖禅寺」と書かれた扁額は、執権北条貞時の頃に「伏見上皇」より賜ったものなのだそう。
【仏殿】
こちらの仏殿に、円覚寺の御本尊が祀られている。
こちらが御本尊の「宝冠釈迦如来坐像」
広い敷地。昔の景色のままなので、歩くのがとても楽しい。
【唐門(方丈の正門)】
方丈の正門である唐門は、1839年に建立された。
【舎利殿】
ここ舎利殿には、「佛牙舎利」と呼ばれる、お釈迦様の歯を祀っているとのこと。源実朝が宋の時代に中国から持ってきたものなんだとか。今の舎利殿は、鎌倉時代にあった「太平寺」の佛殿を移築したもの。
【開基廟】
こちらが開基廟。江戸時代に改築されただけのことがあり、歴史を感じる。
このお堂の下に棺が埋葬されていると伝えられている。
明月院|紫陽花は必見!色鮮やかな光景に心を奪われる場所
明月院の拝観料| 高校生以上 500円 小中学生 300円*障害者無料
拝観時間| 9:00~16:00 ※6月のあじさい時期は変更の場合あり
明月院と言ったら「紫陽花」である。
戦後の物資不足の中、参道整備に必要な杭が不足しており、「手入れが楽だから」という理由で杭の代わりに紫陽花が植えたところ、美しく咲いた紫陽花が評判を呼ぶことになったのだそう。予想外の副産物!
明月院の本堂には、「方丈」と書かれた扁額が掲げられている。御朱印は、本堂の右手前にある建物でいただける。
また、方丈と書かれた建物の右側には、有名な「悟りの窓」がある。雑誌で良く見るような写真を撮れる。
部屋の中を覗き込むと、奥に丸い窓が誂えられている。その窓からは、季節や時間によって変化する、風情ある景色が広がっているのだ。
実に良い。
丸い窓を反対側から見てみる。なるほど、こんな造りをしているんだな。
建長寺|鎌倉五山第一位・方丈庭園でしばし癒しの時を過ごす
建長寺の拝観料|大人500円(高校生以上)、小人200円(小中学生)
拝観時間|午前8:30~午後4:30
建長寺も相当広い敷地だ。こちらも、体力と時間とを相談しながらの拝観が良い。
看板の下の方に「寺内拝観約30分」と記されているが、全ての見どころを回るならばとても30分では見切れない程の広さと見ごたえがある。
総門に掲げられた額の「巨福山」は「大きな福をもたらす寺」と言う意味だそう。
【山門】
この三門は1775年に再建されたもの。
【仏殿】
台座を含めると5m程の高さになるお地蔵様。とても優しい顔をしている。
この建長寺が建つ場所は、かつて罪人の処刑場として使われており、そのお寺の本尊が地蔵菩薩であった。当時のものと伝えられている地蔵菩薩像は、この仏殿の千体地蔵にかこまれて建長寺仏殿内に安置されているとのこと。
【法堂】
この法堂には釈迦苦行僧像が安置されている。一見異様なお姿だが、これはお釈迦様が極限の苦行(断食)を行っている様子を表したものとされている。顔にひげを生やした姿は極めて稀とされ、徹底的に肉体を痛めつけるような荒行をしていたことを表しているのだとか。
【唐門】
この立派な唐門は、1628年、東京・芝・増上寺で徳川二代将軍秀忠の夫人「お江の方」の霊屋の門として建てられ、1647年に仏殿と共に建長寺に寄附され、方丈(龍王殿)の正門として使用されているとのこと。当時の豪華な造りを間近で見ることが出来る。
【方丈】
この建物も総門と同じく京都の般舟三昧院より1940年に移築されたもの。
この規模の建物を移築するのは、非常に大変な作業であることは想像に難くない。
【方丈庭園】
この庭は蘭渓道隆が作ったとされ、創建当時からのものである。
通路に腰掛ける椅子があるので、しばし庭を眺めながら休憩・・。この椅子があるおかげで、疲れが癒されるのでとてもありがたい。
圓應寺(円応寺)|閻魔大王が御本尊
圓應寺の拝観料|200円(団体または親子割引あり)
拝観時間|[3月~11月]午前9:00~午後4:00、[12月~2月] 午前9:00~午後3:30
建長寺から鶴岡八幡宮に向かう道すがらに「円応寺」が建立されている。
閻魔大王をお祀りするお寺だ。
こちらが入口。山門をくぐった先にこの小屋があるので、こちらで「拝観料」を払い「御朱印」を頂く。
閻魔王が中央に座している姿が目に飛び込む。本来であれば仏堂がある場所に閻魔大王の木造が祀られている。あまり見ない光景なので、最初はびっくりした。
中央に座っているのが閻魔大王。閻魔王が、クワッと口を開いてこちらを睨んでいる・・・!
堂内には、中央に祀られる閻魔王を取り囲むような形で壁一面に「十王」が祀られている。
鶴岡八幡宮|源頼朝が篤く信仰した神社
鶴岡八幡宮の拝観料|無料 ※宝物殿、鎌倉国宝館は有料
開門・閉門時間|[4月~9月]午前5:00~午後9:00[10月~3月]午前6:00~午後9:00
参拝日は平日だったが、かなり多くの人で賑わっていた。修学旅行や校外学習で訪れている様子の生徒たちもいて、懐かしい気持ちが蘇ったりもする。
181年に源頼朝が建立した「若宮の回廊」があった場所。
静御前が義経に向けて舞を行った若宮廻廊跡に、現在の舞殿が建てられている。
「八幡宮」の「八」の文字、よく見るとハトが向かい合わせのデザインとなっている。可愛い。
こちらが本宮前。多くの人で賑わっている。
2010年3月に強風にて倒壊してしまった大銀杏。すでに枯れてしまっていたと思ったが、同じ場所で大銀杏の根から新たな芽が出たとのことで、今ではこんなに大きな姿に!
枯れてしまったと思っていたので、とてもうれしい。この銀杏も、千年後まで生き続けてくることを願う。
宝戒寺|鎌倉時代、執権として活躍した北条氏の邸宅跡
圓應寺の拝観料|大人(高校生以上)300円、中学生200円、小学生100円
拝観時間|[4月~9月]午前9:30~午後4:30、[10月~3月] 午前9:30~午後4:00
石碑には「北條執權邸舊蹟」とある。大正7年に建てられたもの。
宝戒寺へ参拝した頃は、ちょうど大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を放送している時期で、義時ゆかりの地として看板やのぼりが設置されていた。
こちらが本堂。
北条家の家紋、三つ鱗がそこかしこにあった。
大蔵幕府跡|鎌倉幕府の御所があった場所
小学校の敷地の一部にひっそりと建てられているので、うっかりすると見逃してしまう。
今は碑だけが残っており、敷地には小学校が建てられている。子供たちのにぎやかの声が聞こえてくる。
法華堂跡|源頼朝公墓所
この写真は、法華堂へ向かう階段のふもとから撮影したもの。この先にこんもりとした丘がある。
法華堂跡を示す石碑。こちらも対象に建てられたもの。
階段を登ると、ちょっとした平地になり、そこが墓所と言うことになる。写真は法華堂跡の石柱。墓所ができた当時、法華堂が建立されていたそうだが、17世紀初頭までに堂舎が無くなってしまい、代わりに石造りの墓塔が建てられたのだそう。
現在見ることが出来る墓域は、江戸時代に入ってから薩摩藩主「島津重豪」によって整備されたとのこと。
北条時房邸跡|当時およそ2000坪程の敷地面積があった豪邸跡
「若宮大路」の商店街を歩いていると突然この看板が出てくる。入口もわかりにくいので看板が頼り。
訪問時には工事中だったようで、そこかしこに養生されていた。
奥は行き止まりとなっているが、案内板があるので行ってみた。
詳しい区割りが書いてあるのを発見。こんな区割りだったのだ。「和田義盛」に「北條泰時」の名前も!こんな位置関係に住んでいたんだなあ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
鎌倉を訪れると、多くの人はまず鎌倉駅で降りて鶴岡八幡宮を目指すと思います。しかし、今回は北鎌倉で下車し、鎌倉までひたすら歩いて散策してみました。やや長距離区間を歩くことになるため疲労との戦いにはなりますが、その分たくさんの発見がありました。
王道の鎌倉ルートとは一味違うこのルートで鎌倉を散策してみると、鎌倉の魅力をさらに深く味わうことができるのではないでしょうか。
最後に「美文字御朱印]ついてまとめた記事もあるので、こちらもよろしければご覧ください。